今回は年金積立金管理運用独立行政法人であるGPIFに関連した記事になります。
先週の話になりますが、GPIFが2021年第一四半期の運用状況について報告がありました。
2021年第1四半期運用報告について
運用結果
第1四半期の収益額は5兆円弱(+2.68%)となり、市場運用を開始してから初めて累積収益額が100兆円を超えたようです。
そのうち利子配当収入は41兆円ほどとなっており、4割ほどを占めてます
収益額100兆円って何だか現実味のない数字に思えてしまって、スゴイなーとしか言えなくなってしまいます…
運用資産額は約191.6兆円となっており、資産配分は国内外の債券と株式にそれぞれ25%ずつ割り振られています。
理事長コメント
理事長からのコメントでは、新型コロナに関する感染状況とワクチン接種による経済動向に言及されていました。
日本は感染拡大の警戒感もあり株式市場は低迷したのに対して、外国株式市場は上昇傾向になっています。

第1四半期におけるベンチマーク収益率を見ても分かるように、外国株式が堅調に伸びていることが分かりますね。
円安が進行したこともあって、最終的には2.68%の運用収益に繋がっています。
GPIFのポートフォリオ
GPIFの目標ポートフォリオ
GPIFの過去のポートフォリオは、2001年に市場運用を開始してから中期計画上では3回に渡って変更されています。
国内債券 | 外国債券 | 国内株式 | 外国株式 | 短期資産 | |
2006年4月~2013年6月 | 67% | 8% | 11% | 9% | 5% |
2013年6月~2014年10月 | 60% | 11% | 12% | 12% | 5% |
2014年10月~2020年3月 | 35% | 12% | 25% | 25% | 0% |
2020年3月~ | 25% | 25% | 25% | 25% | 0% |
2006年に第1期中期計画が始まっており、それ以前の目標ポートフォリオは分かりませんでした。
しかし2001年から2006年の実績を見る限りでは、2006年から2013年におけるポートフォリオと大きな相違はありませんでした。
GPIFのポートフォリオ変遷

図中の矢印の部分でそれぞれ運用目標を変えています。
運用初期の2001年から10年近くは国内債券への投資が7割ほどを占めていました。
それから2013年頃から国内債券の比率が低下し、国内外の株式そして外国債券への投資比率が上昇していることが見て取れます。
そして現在ではどの資産クラスにも同じぐらい投資するスタイルに落ち着いているようです。
新社会人のポートフォリオ
GPIFと6月末時点における自身のポートフォリオを比較してみました。

図にしてみると分かるように、GPIFと違って債券への投資はほとんどなく、株式への投資でほとんど占められているのが分かります。
自分もGPIFの年金積立も長期運用を前提として行っていますが、GPIFでは個人で行うのとは違ってより手堅い運用が求められます。
そのこともあって債券への投資は半分ほど行われているようですね。
ちなみにシーゲル先生の著書にありましたが、10年以上株式を保有した場合には国債の利回りを8割以上の確率で超えることができ、30年になると1871年以降全ての期間で株式投資の利回りを上回っているそうです。
なので今のところは株式への投資に集中してもいいかなと思っています。
それでも短期的には株式の利回りが低くなることもあるので、債権も含めた分散投資の必要性は頭に入れておきたいところです。
まとめ
GPIFの累積収益額は初の100兆円を突破しました!
2020年以降からは国内外の債券と株式に4分の1ずつ投資するスタイルになっており、基本に忠実なポートフォリオという印象です。
年金基金として世界でも最高の額を運用するGPIFですが、分散投資に長期投資、再投資など投資の基本を振り返るという点では見習うことも多々あるなと思いました。
ポートフォリオの定期的な見直しもすることで、その時の状況に応じた対応を練ることも大事だなと思います。
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